是乃綾乃記

これ すなわち あやのしるし

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『何も無くてもいい 君がいるから何もいらない』

と、続きます。DOESの「世界の果て」という歌にございます。
何とも排他的で、情熱的な歌詞です。そこで私、今好きなCP達とこの歌詞をちょっとリンクさせてみようと思い立ったわけです。

まずはBASARAの慶半と三半。また長くなったので三半は追記にて。
キーワードは『夢』
瀬戸内はまた別記事で。

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◇慶半の場合


これが、1番もえっとなったんだな。
慶次は夢も大きいし、器も大きいけど、幼いっていうアンビバランスな男だと思うんです。諸国を放浪してまわって「日ノ本は大きいなあ!」実感してる。
綺麗な景色。大きな海、広大な草原、繊細な水の流れや、花やら木やら。情緒溢れるものをたくさんたくさん知っていて、
無邪気にそれを半兵衛に見せたいなと思っているわけです。
でも(まだ誰にも言ってないしバレてもないけど)半兵衛は肺の病気に犯されている。
そんなに…きっと慶次くんよりも秀吉よりもずっとずっと早くに死んでしまうんだなと悟ってはいる。
教えたくないし、悟られたくない。まだ軽い病状のうちに、慶次を解放してやりたいなと片隅で思っているんです。慶次はこんな小さな世界に留まっていてはいけない人だから。
彼の背中には大きな空を背負って欲しい。ずっと遠くへ、自由に羽ばたいて欲しい。

小春日和の秋口に、慶次の隠れ庵に呼ばれた半兵衛は、手土産にお菓子かなにかを持って彼に会いに行きます。
到着するなり大きな腕の中にすっぽり収められて、ああ、心地良いなと。この腕を無くすのは切ないと、半兵衛は自分の想いに改めて気づかされてしまう。
縁側でお茶とお菓子をいただきながら、慶次はつい最近まで行っていた旅の話をします。

「ほんとにでっけーんだ!尾張の国からの海とは全然違うんだよ」
「そう」
「お前も連れて行ってやりたいなあ、半兵衛」
「そうだね、一段楽したら旅をするってのもいいね」
「ほんと!?本当に?今の忘れないからな、半兵衛!」

太陽の如き笑顔を曇らせたくなくて、半兵衛は嘘をついた。旅なんていける訳無い。身体が、とかではなく、今後押し寄せる血の香りの中、秀吉を天下人へと押し上げるという仕事が、彼を待っているから。身近な命を手にかける覚悟を聞いていて、なお半兵衛は秀吉に従うと決めている訳です。
穏やかにこうして過ごしたいと思う気持ちを抑えて、押し殺して。

「夢みたいだ。大きな海、広大な砂丘。君の見てきたものは、まるで夢物語みたいだ」
「夢じゃないよ、本当にあるんだ。絶対一緒に行こう、約束」
「ああ、いいよ。約束、しよう」

果たされない約束をするふたり。

世界の果てに行きたいと思うのは、慶次じゃなくって半兵衛なんです。
慶次が半兵衛を攫って行きたい!とかでは無くて、半兵衛が

『君と一緒にどこかへ行ってしまえたら、どれだけ僕は救われるのだろう。しかし、引き換えに、どれだけ君を傷つけてしまうのだろう』

と、思っている。そんな彼なんです。



◇三半の場合

三成は慶次とは違って、無邪気じゃないけど、純粋な男です。もし側にいる人間が僕じゃなかったら、と、半兵衛は彼を見て何故か後悔の念にもかられるわけです。
あの怖いと思える程のまっすぐさを、利用してしまっているのではないか。
三成はまっすぐに半兵衛を見つめ、秀吉の背を見つめています。瞳の奥に秘める【凶】の素質を知らないまま、生きていってくれたら、
もしかしたらもっと幸せだったかもしれない。
閨の中で、三成の腕に抱かれながら、弱り往く身体を任せるこの時ほど、痛い瞬間は無い。
死期が近い。そろそろ彼とも触れ合えなくなるだろう。
知ってか知らずか、三成は夜毎半兵衛の褥へと忍び込む。時には情事に及び、時にはただ眠るためだけに。
月明かりだけに照らされた寝室。寝転がる半兵衛を背に、三成は戸にもたれ、空に浮かぶ月を見上げている。薄ぼんやりとした横顔には、微かな何かの跡がある。涙の跡。

「泣いているのかい、三成君」
「半兵衛様…起こしてしまいましたか」
「違うよ、目が覚めたんだ」

三成は素直だと思います。悲しいときには涙を流せた青年だったと思うんです。それも秀吉の死で全て変わってしまうのですが。
のそのそと起き上がって、戯れに三成に寄りかかります。夜に起こる事は全て夢。
朝になれば消えてしまうから、と、半兵衛は甘えるわけです。弱くなったね、僕も、そう自嘲しながら。
夜風は身体に障りますと、三成は半兵衛の肩を抱いて、引き寄せます。その掌は月と似ていて、暖かい光を反射して光るように、控えめに優しい。

「夢。夜のことは、全て夢だ」
「夢ならば、貴方に伝えたき事が御座います。夢物語として、お聞き下さい」
「いいよ」
「宵闇に紛れ、貴方をどこかへ連れて行ってしまえたら。決して相容れぬあの月と日輪の様に、貴方を闇から引き離してしまえればと、馬鹿げた事を考えておりました」
「いいんだ、夢だから」
「お許しを、半兵衛様。私の醜い心に、どうか慈悲を」
「僕が君を許さなかった事なんてないだろう。君は、間違ってない。そのまま進んで、天下を見るんだ。いいね、三成君」

僕の代わりに。その言葉は半兵衛の心の中と、三成の心の中で響く。
かき抱いて、そのふわふわの髪の毛に口付け三成はまた泣いて、よしよしって半兵衛にされて、
夜は更けていくのだな、と思いました。
世界の果てに行きたいのは、ふたりです。知っていて、お互い解っていて、言葉に出来ない苦しさを、夢だからと言い訳をして、夜に言葉を紡ぐ。


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半兵衛の切なさが痛い。
慶半も三半もすっごく切ないのですね、こう書いてしまうと。
慶次はひだまりみたいなやさしさ、三成はつきあかりみたいなやさしさ。半兵衛には幸せになってもらいたいと、心から思います。

せめて脳内では幸せにしようと思う、冬の一日でした。
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